ScalaMatsuriレポートシリーズの最後です。
3コマめ:型を超えた安全
Regis Blanc(@regbla)さんの発表です。Scalaのコード検証ツールLeonの紹介でした。コードの検証といったらIntelliJ IDEAのようなIDEもある程度行ってくれますが、Leonはたとえばこのコードを実行したらIntの変数が溢れてしまうといったことも見つけてくれるらしいです。ゆくゆくはScalaのコンパイラのプラグイン的なものにしたいということで、そうなったらかなり強力なツールになるでしょうね。IDEに組み込まれてもいいと思います。
🍕(Pizza)
会中、飲み食いの憂いがないというのは素晴らしいことです。なんの憂いもなく頭を回転させられます。
4コマめ:Poor man’s type classes revisited
Sanoさんの発表です。Odersky先生の資料「Poor man’s type classes revisited」をもとに型クラスについて解説……かと思っていたのですが……
修羅の国でした。無慈悲にHaskellコードが出てきます。Haskellコード読めて当たり前状態(私はある程度読めますが)。上記のスライドを眺めているとサンプルコードの中に「MyMonoid」というのが出てきますが、それが出たところで聴衆から「半群だよね?」との声が(その時「単位元がないから」という言葉もあったかと思います)。ここからますますHaskellや代数学の心得のない人置いてけぼりの展開が繰り広げられました。そのへんから私は聴衆の温度差のほうが面白くなってしまっていましたw
まさしく食いついている人、完全に置いてけぼりになってるのが顔に出てる人、小さめの会場でしたのでそれがよくわかりなかなか怖い会場となりました。
5コマめ:Play2+DDDで挫折した話、みんなならどうする?
きの子(@aa7th)さんの発表です(「きの子」は本名ではないそうです)。
工期3ヶ月半(コーダはきの子さんひとり?)でBtoC Webサイトシステムを作り上げるという実際の案件で、DDDで開発しようとしたが3週間で諦めたという話でした。途中で、Mr.DDD、かとじゅんさんが部屋に入ってきたのですが、その時の部屋の空気の変わり方が素晴らしかったです。「シャアが来た!」って感じでした。そこから、かとじゅんさんをはじめ、DDDに明るい人達が適宜いろんなアドバイス(マサカリというより経絡秘孔を突くような即死級のやつもありましたが)を投げてくれていました。きの子さん自身「変な汗が出た」といっていましたが、おそらくアンカンファレンスで一番得をするやり方がきの子さんのようなやり方なんじゃないかと思いました。
6コマめ:Van Laarhoven Lensのライブコーディング
1コマめの「Lensの基本」でスライドを映せなかったというトラブルもあり、そのリベンジということでした。私はScalaMatsuriで誰かがコーディングしている様を一回は見たいと思ったのでこれを聴講しました。Van Laarhoven Lens自体も知らなかったので、まずはそこから解説してもらえたのでとてもためになりました。ライブコーディングはREPL上で行われましたが、できればいつも使っているエディタでやってみてほしかったです。
その他の感想
やはりなんと言ってもWifiのつながりが悪かったのが残念でした。テザリングやポケットWifiをお持ちの方がいたせい(電波干渉)と思われますが、人によってはスマホを持たずセルラー非対応の端末とポケットWifiを持ち歩いている人もいるでしょうからいきなり切れと言われても難しいと思います。ですので事前に参加要項等で「当日会場ではテザリングやポケットWifi等はご使用いただけません」とアナウンスするといいと思います。また、Wifiが不安定だと特に急ぎの用がある人などは急場しのぎに自分のテザリングでなんとかやってしまおうという人が出てきたりと悪循環になりがちなので、そんな人用に有線LANや隔離Wifi部屋を準備しておいたら良かったのではないかと思いました。
それからこの2日間で美味しいコーヒーがいつでも飲めたのは大変ありがたかったですが、途中で紙コップが不足してるというような話がありました。もしかしたら、タンブラー持参とかのほうがいいのかなとも思いました(少しでもエコに)。ノベルティにタンブラーとかあってもいいかもしれませんね。
最後に自分自身についてですが、今回はScalaMatsuriに初めて参加したということと、こういったイベントに参加すること自体かなり久しぶりということもあったので、2日間の間でほとんど喋ることがありませんでした。おそらく私と同様にほとんど喋らずに2日を終えた人もいることでしょう。次回はもっと色んな人と話す余裕が持てればいいなと思います。そのためにも次の1年はいままで以上にScalaと真摯に向き合おうと思いました。
ScalaMatsuri 2017 レポート終わり。